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診療報酬改定にも影響か
本誌がお手元に届く頃は、政府の2021年度予算案が公表され、介護報酬改定の改定率も決まっていることだろう。本稿を書いている12月上旬の段階では詳細が明らかになっていないが、これまでの議論を振り返ると、財務省が当初目指していた社会保障関係費の抑制策が、新型コロナウイルス感染症の影響でことごとく小粒に終わった。22年度診療報酬改定で手痛いしっぺ返しが起こる可能性がある。
新型コロナは医療・介護施設事業所の経営に大きな影響をもたらした。医療では、コロナ患者を受け入れた医療機関だけでなく受診抑制などで3月以降入院・外来ともに患者数が急減し、経営に打撃を与えた。日本病院会などが1455病院に実施した調査では、緊急事態宣言下の5月で入院患者延べ件数が5799人(前年同月6761人)で病床利用率は70・2%(同79・3%)、手術件数は124件(同177件)、救急患者受入件数は362件(同541件)と大きく減少している。その後多少持ち直したとはいえ、流行の第3波にある中、厳しい経営状況に変わりはない。
急増の波に乗り遅れるな
2018年度に創設された介護医療院。厚生労働省が3カ月ごとにまとめている開設状況調査によると、これまで緩やかな伸びだったのが、今年4〜6月に施設数は172件、療養床数で1万床も増加した。厚労省の社会保障審議会介護保険部会や介護給付費分科会などでも、介護医療院への移行促進策を設ける方向性が示されており、21年度の介護報酬改定では、引き続き高い評価が望めそうだ。
06年に介護療養型医療施設の廃止を打ち出してから14年の月日が流れた。各種の移行支援策や介護療養型老人保健施設の創設などが行われたが、一向に病床は減らなかった。そこで数年の検討を経て、医療の必要な要介護高齢者の長期療養・生活施設として介護医療院が18年度に創設された。介護療養型医療施設の廃止期限は23年度末だが、厚労省幹部も今回ばかりは「経過措置を終了する」と断言しており、残り3年5カ月の間に転換しなければならない。
そうした中で、先頃発表された6月末時点の介護医療院の開設状況調査では、大きく施設数・療養床数が増加していた。制度創設直後の18年4月末時点では5件・383床で、このところは50件程度の増加だった。それが直近の6月末の数字では、施設数で172件、療養床数は1万896床と一気に増加し、全体で515件、3万2634床になった。
日医会長選、中川氏が制す
「晩節を汚したな」。5月31日に、日本医師会会長選挙に横倉義武会長(当時)が出馬を宣言した際、ある医療関係者はつぶやいた。一時は勇退を表明しながら、その数日後には撤回して5期目の出馬を表明した横倉氏に迷走ぶりを感じたからだ。果たして6月27日の日本医師会定例代議員会での役員選挙では中川俊男副会長(同)が接戦を制した。これまでも中川氏は政府に対し是々非々で臨み、会長就任後もその姿勢を貫くと述べているが、必ずしも中央とのパイプが強いとは言えない。新型コロナウイルス感染症の感染拡大や年末の全世代型社会保障検討会議の最終報告、さらには2022年度診療報酬改定など懸案が並ぶ中で、どこまでそれを貫き通すことができるか。
どさくさ紛れにオンライン診療突破
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を「デジタル化が遅れているこの国が生まれ変わるチャンス」。驚くような発言が3月の厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で飛び出した。この言葉に象徴されるように、国家の緊急時である同感染症の拡大に乗じて、経済界はかねて求めていた受診履歴なしの人に対する初診からのオンライン診療をもぎ取った。
言うまでもなく、日本では一部を除き対面診療が原則とされているが、経済界ではこの規制を撤廃してオンライン診療の導入を繰り返し訴えてきた。規制は少しずつ緩和されており、2018年度診療報酬改定ではオンライン診療料が設けられた。20年度改定では、実施要件で事前の対面診療の期間を6カ月から3カ月に見直すほか、医療資源の少ない地域では医師の判断で初診からオンライン診療を行うことを可能とするなどした。
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